ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
俺は改めてそのバラの花束を見つめた。

「今日は君の誕生日でもあるんだろ?」

「え、あ・・・はい」

「幾つになった?」

「30歳です」

「30歳か・・・私が30歳の頃はまだ独身だったな。そうだ・・・夜は君と小陽の新居に陽那と共にお邪魔する。手土産は何がいい?」

「えっ!?」

俺が目を円くしているとお義父さんは何かを悟った。

「もしかして小陽から何も訊いてないのか?」

「夜は二人で・・・」

「私と陽那、濱部夫妻に美古さんと稜真君、ウチの紡も来るらしいぞ」

濱部家と伊集院家オールで俺の誕生日とクリスマスを祝う気か。
その話は完全になくなったかと思えば、俺の知らない所で話が進んでいたのか。

「サプライズのつもりで拓真君には内緒だったのか・・・そうとも知らず…私はバラしてしまったな。すまない。拓真君」


「謝らなくてもいいですよ。お義父さん」


「お詫びに君の欲しい物をプレゼントしよう」

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