ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
料理の準備も整った。

「俺はこう言うのは苦手なので、カンパイの音頭は敦司様お願いします」
親父は強引にお義父さんに押し付けた。


「濱部社長にお願いしたい所ですが・・・」

「いいからいいから父上が早くしてくれ」
隣に立つ紡が苛立った様子で急かす。


「分かった。拓真君の30歳の誕生日とクリスマスにカンパイ!!」

皆でグラスを掲げ、カンパイした。

「おめでとうございます。拓真さん」

「ありがとう。小陽そしてメリークリスマス!!」

俺と小陽はグラスを重ねた。

スパークリングワインを飲んでいると紡が話し掛けて来た。


「拓真、おめでとう」

「ありがとう、紡」

「30歳になった抱負とかはないのか?」

「抱負?そうだな・・・来年は家族を増やそうかな?」

俺の言葉に皆が一斉に注目する。

「え、あ・・・」

「レオンのようなペットを増やすとかではなく、ちゃんとした人間を増やすんだぞ。拓真」

「はいはい、皆も期待しているようだし、小陽今夜から頑張ろうか?」

小陽は真っ赤な顔して俯く。

いつまでも、ウブな花嫁様・・・

俺達の仲はキスではなく、もっと遠い昔、前世からはじまっていた・・・




                END




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