ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「コーヒーです」

「サンキュー」

小陽は無表情で俺に淹れたてのコーヒーのマグを渡す。

俺は受け取り、そのまま一口啜った。

俺の前の椅子に腰を下ろして一緒に朝食を食べる。

今朝の朝刊と経済新聞を読みながら俺はクロワッサンを齧った。


「昨日の件…考えてくれました?拓真さん」

「昨日の件?何だったっけ?俺…酔ってたから、憶えてない」
俺はワザと素知らぬ振りをした。

「憶えていないなら、いいですよ・・・」
小陽はそれ以上何も訊かず、話を畳んだ。

半年前に結婚した夫婦に子供が誕生した。

――――――俺達は皆から取り残されている。

結婚してセックスすれば…普通に子供は授かると思っていた。
なのに…俺達は・・・




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