ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
『星凛堂』本社。

小陽が退職し、俺の秘書は親父の秘書だった栗原さんが就いた。

「本日のスケジュールは以上です」

俺はうわの空で訊く。

「…栗原さん・・・明後日の金曜日有休を取れないだろうか?」

「金曜日・・・ですか?
急なご予定があるのですか?」

「病院に行きたい」

「どこか具合でも・・・」

栗原さんは心配げに俺を見つめた。

「妻が不妊外来に通っているコトは知ってるよね」


「小陽さんの付き添いですか…分かりました。スケージュールを調整しましょう」

「お願いします・・・」

「承知しました。副社長」

栗原さんは手帳を閉じるとデスクに戻った。

二人で各々仕事をこなしていく。

でも、頭の中の小陽の寂しげな顔でいっぱい。


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