ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
給湯室に居る小陽の様子を伺った。

小陽は泣きながら、シンクにあった俺の昼飯用にと出前で頼んだ天丼のどんぶりを洗っていた。

「小陽…さっきはゴメン・・・」

俺は小陽にそばに歩み寄って謝った。


小陽は無言で俺の方に見向きもしない。


「ほら、外国じゃキスなんて挨拶代わりだろ?お前だって留学経験あるんだ。分かるだろ?」

俺のしたキスはディープだし、挨拶代わりのキスとは到底思えないけど。

ここはキチンと小陽に許しを貰わないと後先どうなるか分からない。


小陽はハンカチで涙を拭いて、ようやく俺の方を見る。


可哀相に若干アイメイク崩れているけど、小陽の泣き腫らした瞳は今も潤み、艶めいていた。

美人って泣いても美人だ。


最愛の夫を亡くして涙に暮れる未亡人・・・みたいな・・・ヤバい・・・そそるぞ。







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