ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「嫌な感じ」


季実子が俺に向かって冷水をぶっかけた。


「な、何すんだよ!?」
俺の顔や髪の毛、Yシャツ、ネクタイ、上着まで濡れてしまった。
これが赤ワインじゃなくてホッとした。




「今度は拓真の方から別れ話、切り出される予感がして来たわ。やっぱり別れる」


「季実子?」


「支払いは拓真のお金で」


季実子はメインディッシュの肉料理を待たずにレストランを後にする。


残された俺は周囲の注目を浴びながら唇を噛み締めた。





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