ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「失礼します」


栗原さんが俺を心配して来てくれた。

案の定、俺は頭を抱えて苦しみ悩んでいた。


「大丈夫ですか?副社長」

「大丈夫じゃない・・・栗原さん、俺の考えたプラン訊いてくれる?」


俺は栗原さんに『濱部拓真・結婚プロジェクト』を訊いて貰った。


「社長の案と全く一緒ですね・・・さすがは親子」


俺と親父の案は見事にシンクロしていた。何の捻りもねぇし、ベタ過ぎで全く新鮮さがない。


「こんなんでいいのか?もっと斬新にした方がいい?栗原さん」

「今も昔もプロポーズの方法なんて同じ…もっと派手にしたければ、フラッシュモブの方法もあります」

周囲の人間を巻き込んで、ダンスしながらするあれか・・・


勝算0のプロポーズに他の人間は巻き込めない。俺が大恥かくじゃないか・・・


「それは嫌だ」


「これが小陽さんの左手の薬指のサイズです」


栗原さんは俺にメモをくれた。


メモには7号と書かれていた。


「誰に訊いたんだ?」

「社長が直々に自宅の電話をして、陽那夫人に訊きました」

「えっ!?」


「ちなみに小陽さんは昨日から出社しているとおしゃっていました」


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