ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
私は出社する振りをして、ウィンドショッピングで時間を潰した。


退職届・・・速達で会社に送ったし、濱部社長の元に届いている頃だろう。


お父様にも事情を説明して謝らないと。


『星凛堂』本社と程近い場所の公園で缶コーヒー片手に日向ぼっこしていた。

営業回りで休憩するサラリーマンや小さな子供を連れたママが遊んでいた。


鮮やかな青色の絵の具を塗ったような空。


白い綿菓子を千切ったような雲がたなびいていた。



泣かずに笑って流せば良かったのかな?


拓真さんは私の想い人だし、キスされても嫌じゃなかった。シチュエ―ションが嫌だっただけ。ロマンチックに愛を囁きながら、キスを交わすそんなシチュエ―ションなら最高だった。








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