ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「俺の肩の荷も下りた…これで存分に飯メシが食える」


拓真さんは嬉しそうにメインの肉料理の羊肉のローストにナイフとフォークを入れた。


「小陽も食えよ」

「はい」

お父様とは違うタイプだけど、グイグイ引っ張ってくれる行動力は頼もしい。

私は薬指に輝くエンゲージリングを一瞥するとナイフとフォークを手にした。


「そのダイヤ。お前にピッタリだな。大きくもなく、小さくもなく、程よい感じがいい。
暫く、元総理には内緒だけど…元総理の休みの日を訊いておいてくれ。親父と一緒に実家に挨拶に行く」


「挨拶?」

「勝手にお前を嫁には貰えないだろ?元総理の許しを貰わないと」


「お父様、一筋縄では・・・いきませんよ。私を嫁に出したくないようで」

「箱入り娘だもんなぁー。それにお前にはもう一人強敵が居る…紡だ」


拓真さんがモグモグ咀嚼しながら、考え込んだ。





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