ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「頭を上げて下さい。濱部社長」


元総理は困惑していた。


「結婚を許してもらうまで、頭は上げません」

俺も立ち上がって親父に歩み寄り腰を折った。

「今ここで、返事は出せない。私だって…考える時間が欲しい。今日は勝手に会社に押しかけてすまなかった。後日、日を改めて、両家での話す機会を設けよう」


「そ、それは尤もです。俺も少し性急過ぎました。元総理」


「もしかして、結婚を急ぐ理由が他にあるのか?濱部社長」


「えっ!?急ぐ理由は・・・」


「まさか・・・小陽は妊娠しているのか??風邪で休んでいたが、もしかしてそれは・・・悪阻?」


元総理の低い声を響かせ、動揺する。


「小陽と拓真君は・・・」


「それはありません!お父様」


小陽がおかわりのコーヒーをテーブルに置き、元総理の誤解をといた。



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