ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「あ・・・」
お父様は言葉を濁したが、お母様が椎名さんに説明した。


「椎名君、ウチの小陽と濱部家の長男の拓真君が結婚するコトになったのよ。椎名君の所にも、招待状送るから是非来て、二人を祝福してあげてね」


「濱部副社長と小陽さんがご結婚ですか…それはめでたい話ですね・・・」

椎名さんの声音から感情が消え、冷たい響きへと変わる。


お兄様の親友でもある椎名さん。

彼にプロポーズされ、返事を放置しているコトは内緒。
お父様は何となく私と椎名さんの間に何かあったんだと気づいていたが、直接問い質すコトはなかった。


「紡にはお話しましたか?」


「紡にはまだだ・・・正式に話が決まってから話そうと思っていた」


私も椎名さんのコトを考えてお兄様には拓真さんとの結婚話をしていなかった。


「小陽は?」


「私もまだです・・・」


「大丈夫、紡には私が話しておいたから・・・」


お父様と私の表情とは正反対のお母様。


「こんなめでたい話を紡に内緒にするなんて…二人共水臭いわよ」


「私は色々と考えてだな・・・陽那お前は何も考えていないだろ?」

「ちゃんと考えています。私の考えるコトは拓真君と小陽が結婚して・・・小陽が拓真君の子供をお腹の中に宿して・・・立派に出産するコトよ」










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