お嬢様と7人の男子

複雑な関係



「りりか、おかえり」



「うん…」



「りりか、なんかあったか?」



「大丈夫だよ、さっちゃん。心配してくれてありがとう」



「りりか?」





「私、帰るね。ごめん」




「ちょっ、りりか!?待ってよ」



私は猛スピードで走った


「ハヤテ、お前、りりかになんか言ったの?」



「別に言ってないけど」


「お前、」


菜月は、ハヤテの胸ぐらを掴んだ



「やめなって、菜月」


「さや、離して」



「お、おい。2人ともどうしたんだよ」



そこに、黒王子と白馬が帰ってきた



「は、ハヤテ!?」


「…奏。これには事情があるんだ」



「高槻は?」



「走って帰ったよ。これで奏も安心だろ?…」



黒王子は、グーで殴った





「霧島、お前!?」




「…奏?」



「ハヤテ、お前変わったな」



黒王子は走り去った




「ちょっ、霧島。待てよ」


白馬は黒王子の後を追った



「見損なったよ、ハヤテ」


「ごめんハヤテくん、うちも行く」




ハヤテの周りから人はいなくなった




「奏……。どうして、僕を殴ったの?あの子のどこがいいの?僕じゃあダメ?」



〜回想〜



中1

奏とは中1で、出会った



その時の僕は奏と血が繋がってることなんて知らなかった




「俺、霧島奏。君は?」



「松阪 颯」


「ふーん。君、肌が白くて綺麗だね」


黒王子は、ハヤテの顔に手を添えた



ドキッ/////



この時の言葉、僕は今でも忘れられない思い出だ


奏とは、出会ったきっかけに仲良くなった




しかし、中2の夏



奏に彼女が出来た




その彼女は、ずっと奏のことを追いかけていた


薄々、僕も気づいてたけどまさか告るとは思わなかった



奏は、その子のことは好きではないのに付き合った




けど、奏はだんだんその子のことを好きになっていた


それを見ている僕は辛かった



嫉妬と愛しさと欲望を感じた



彼女と別れさせるために、僕は彼女を僕のものにしようとした



案外、簡単だった




すぐに彼女は僕の元へときた



彼女は奏と別れてくれた、すんなりとね





奏は


「俺の何が足りなかったんだろ…。俺って本当にダメだよね。ハヤテ、俺の分まで彼女をよろしく頼んだ」



あー、なんて最低なんだろう…僕は



こんなことをしてまで、奏を手に入れたいとは


まぁ、その後



あっさり、彼女とは別れた



僕が捨てたからね




彼女は言い寄ってきた



「お願い、ハヤテ。私を捨てないで、ハヤテじゃないと満たされない、奏よりもハヤテのほうが好きよ」



あー、なんて哀れな女なんだろう



この時、



「奏とハヤテってなんとなく顔立ちが似てるよね」


彼女はそう言った



僕はピンときた



DNAを調べるとやっぱり血が繋がっており父親が一緒だった



これ知った時、ものすごく嬉しかった




何せ、奏と同じ血が流れてるから


このことを奏に伝えた


「ごめん…しばらく考えさせてくれないかな?」


「え…」



「状況が上手く理解出来ない…」




「そ、そうだね」



なんであの時、悲しそうだったんだろう?


こんなにも嬉しいことはないのに



どうしてなんだよ、奏…



〜回想終了〜














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