お嬢様と7人の男子
ーバタン
「……はぁ」
なんであの口紅が、お嬢様が持ってるんだ…
だって、この場にいるはずないのに
要は床に座り込んだ…
「なんで来てしまったんだよ…」
ー次の日の休み時間
相変わらず要は朝から暗いし…
何があったか聞いても無視するし
要…なんで私に何も教えてくれないのよ…
「はぁ。この口紅の持ち主を探さないと、転校生、転校生」
廊下に偶然転校生がいた
!!!
「あ、あのー!転校生の方だよね?」
「そ、そうだけど。私に何か用でも?」
「この前、トイレでぶつかった時これ落とさなかった?」
そう言って私は口紅を差し出した
「あ!これ!私の。大事なものだったの、ありがとう」
「よかった」
「本当にありがとう…」
そう言った彼女はとてもほっとした様子だった
そんなに特別なものなんだ
「じゃあ私はこれで」
「ちよっと待って…なにかお礼でもさせて」
「でも…」
「お願いだから!何か一つ」
「うーん。じゃあ、お昼、一緒に食べよ!」
「そんなことでいいの?」
「うん!」
キーンコーンカーンコーン
「お昼の時にまた!」
「そうだね。あ、名前…名前は?」
「高槻 莉梨香 」
「ありがとう、じゃあまた後でね」
転校生の子は手を振って行った
そう言えば、転校生の名前聞き忘れた…
まぁ後で聞けばいいか!
ーお昼
「高槻さん?で、合ってるよね?」
「りりかでいいよ」
「分かった」
「そう言えば、名前聞いてなかった」
「あ、私の名前は菅野 愛梨」
「あいりか、あ!口紅にもほられてたよね?名前」
「よく気づいたね。」
「それ、大切なんだね」
「うん…すごい大切。特別な人に貰ったんだ」
「そうなんだ」
「私、その人に会うためにここに転校してきたの」
「!?この学校にいるってこと?」
「そう」
「それじゃあ探さないと」
「うん、今探してるけどなかなか見つからない」
「どんなひと?」
「かっこよくて…優しくていい人」