お嬢様と7人の男子
カフェ内の音楽が響き渡る中

二人の会話は途切れ、しばらく沈黙が続いた


「一樹がさぁ、あいりの好きな人を見たいって」

「…」

「ここに来れたのは条件があったの」


「条件?」

「要と会うかわりにこれっきり会わないこと、もう忘れること。それで結婚すること」


「…あいりごめん。そばにいてあげられなくて」

「かなめはなんも悪くないよ、全部悪いのはお父様…うっ」

あいりからの目には涙が溢れかえっていた

要はハンカチを差し出した

「ありがとう、要はそういうところ変わらないね」

「…」

「要、私とどっか逃げない?」


「なにいってるんだ、そしたら婚約者はどうなるんだよ」

「もう、どうだっていい。私は要と一緒ならそれでいいの」


かなめの心は揺れていた
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