お嬢様と7人の男子

「そう言えば、探してた人は見つかったの?」


「ええ、昨日ちょうどばったり会って」


「それは良かったね」


「でも…もうその方と一緒にいられないんです」

あいりは切なそうに語った

「どうして!?」

「私には父繋がりの婚約者がすでにいて…その方とはいられないんです」

「そんな…」

まだ16歳というのに既に婚約者が存在して
好きな相手とは結ばれない
なんて可哀想なんだろう…

「もう、会えただけでいいのです、これで何も残すことはありません」

「そんな終わり方でいいの?」


「え…」

「協力してあげる、」


「いいんですか!?」

「最後にその人といい思い出つくろうよ」

「ありがとうございます」

愛梨の顔は一気に明るくなった

「それで、名前はなんて言うの?」


「犬塚 要 です」
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