お嬢様と7人の男子
教室まで運んでくれた
「ここで降ろすぞ?」
黒王子は、菜月を椅子に座らせた
「ごめんね。わざわざありがとう」
「別に。それよりお前とさ兄はいつもあんな感じなの?」
「…そうだよ」
兄の話をすると菜月は無表情になる
「大丈夫なのかよ?なんかあるなら言えよ」
「大丈夫、大丈夫。いつものことだから」
菜月は笑った
「そうやってすぐにごまかす……」
黒王子はボソリとつぶやいた
「ん?なんか言った?」
「ううん。じゃあ俺行くわ」
「うん…」
黒王子は教室から出ようとした
「待って…今のこと絶対にりりかたちに言わないでお願い…」
「分かった。でも俺には何かあったら言えよな」
「ありがとう…じゃあね」
菜月は手を振った
「おう」
黒王子は背を向けたまま手をあげ振った