お嬢様と7人の男子
黒王子がいなくなってから教室は静まり返った
菜月は椅子に座り窓に寄りかかった
すっかり日が暮れていた
「帰りたくない…」
菜月の目から一滴の雫が流れた
私の家族は狂っている
結局学校から出ても、寄り道したせいで
帰るのが10時頃になってしまった
ガチャ
「ただいま…」
ドアを開けた
「遅いじゃない、今まで連絡もせずに。なにしてたの」
母は菜月を怒鳴りつけた
「まぁまぁ今日はこのぐらいにして。もう夜だし」
そこに父が入ってきた
菜月はごめんなさいと言い自分の部屋がある二階に駆け込んだ
「はぁ…ついてないな」
1階から母と父の声が聞こえてきた
「翔はいい子なのにどうしてあの子はダメなの?」
「まぁ仕方ないよ、そういう年頃なんだよ。女の子はデリケートなんだから」
「双子でもこんなに違うなんて…」
あぁまた始まった、翔と比べられる
どうして私ばかりせめるの?