私限定の甘さ 番外編

「まぁ、またなんか言われたら私に相談しなよ」


照れているのか少しぶっきらぼうに言う怜。


冷たく聞こえるけど、怜の顔は優しい。


そんな怜を見ると、さっきまで苦しかった心が不思議と楽になった。


怜には、いつも心配かけてばかりだな。


私が『いつも、ごめんね』と謝ると、『別に親友だから当たり前でしょ』って言ってくれるいつも優しい怜。


そんな怜だから甘えちゃうんだよね。


「ありがとう、怜」


私が笑顔でそう言うと、怜も照れくさそうに笑う。


その時、チャイムが鳴って私たちは自分の席に戻った。


―――本当にありがとう。



心の中でもう一度、怜にお礼を言った時、先生が教室に入ってきた。


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