小さな命
次の日見事に出血は増えていて、手術を勧められた。
ただその時は摘出すれば自然妊娠の可能性が下がること。
まだ20代で卵管が1つしか無くなる事など、自分のことばかり考えていた。
でも、破裂寸前の場合危険とみなされ午後に緊急手術をする事に。
そうと決まれば事はポンポン進んでいきあっという間に手術は終わった。
終わった後麻酔が覚めると、先生からやっぱり左の卵管がパンパンに腫れて居ました。と告げられ流産しかけての出血ではなく破裂寸前だったのだとわかった。
でもそこに赤ちゃんがいるとわかった時に手術をすると決めた時赤ちゃんを殺すという決断をしてしまったのだと思いこんだ。
産めない赤ちゃん。
そう割り切ったつもりだったのに。
殺す決断をした。
殺す事にサインしたんだと思ったら押しつぶされそうになった。
そんな中の光が我が子。
お見舞いに連れてきてくれたり、写真を送ってもらったりして気持ちを軽くさせていた。
退院が迫るとそれすらも効かない。
赤ちゃんを殺しておいて自分は退院していつも通りの生活に戻るのか?
水子供養に行きたくても生活だけで手がいっぱいの中、時間もお金も余裕がない。
殺してしまったあの子に何が出来るのだろう。
わからない悩みに必死に耐えるしかなかった。