どうでも良くて大切なもの
〜◯◯駅〜

ゆっくりと見を開け、電車を降りる。
改札を出ると、早足で前だけをみてうちへ向かった。

帰ると母親がいる。

「ただいまあ。つかれたよお」

塾から帰ってきた私を作り出した。
そして、今日は体育の授業でマラソンをして汗臭いという理由をこじつけて、脱いだ服と服の間に下着を隠し、風呂に入る。

とことん洗って、汚れきった身体を綺麗な身体へと作り替えた。
お風呂に浸かり、一気に水の中へ潜る。
苦しい気持ちを、息ができないと言い訳ができるようにギリギリまで潜っていた。

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