モラハラ男と親友が別れるまで
「わたしが謝り続けたら、晴夫はこの話はもう終わり!とか言うんだけど全然終わってなくて。次の日も根に持っててさ」

「ネチっこい人だな…」



なんだ、その男は。
今まで話を聞いて、その男の良さが分からず首を傾げる。
そんな男と付き合ってて、楽しいのかな。


なんか、なんというか、親友の彼氏に対してこんなことを思うべきではないと分かってるけど…。



その男、ちょっとクズっぽくないか?
完全なるクズとは言わないが、なんか、それっぽいぞ。



私は未来の話でしか晴夫を知らないし、もちろん良い所もあるんだろうけど。
それでも話を聞く限り、あまり彼氏に薦めたい人ではなかった。



「付き合ってて楽しいの?」



思わずそう呟いた。
親友としては、良い人を彼氏にしてほしい。
普通の人にしてほしい。



「付き合ってて楽しいよ。好きだから」



そう言われたらそれまで。
ここから先は私がどうこう言える立場ではないし、楽しくやってるならそれでいいかな。


長らく放置していた、長ったらしい名前の飲み物を漸く口に運ぶ。



まあ、楽しくやってるならいいや。
< 4 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop