わたしのいちばんすきなひと。
こんなの挟んでたっけ?
わたしは紙切れを拾い広げてみた。
『20歳の莉子へ』
筆圧の濃い字。
書き出しはそれから始まっていた。
『20歳の莉子へ
びっくりしているよな、こんな手紙。
もし、ここを卒業するときに勇気のない俺だから伝えられてないだろうこの気持ちを手紙に書きました。
このクラスになって最初隣の席だった莉子が気になっていて、話しているうちに仲良くなるうちに…莉子のこと好きになってた。
いつも意地悪なこと言ってごめんな。好きだからつい莉子のこといじめてしまった。
もしこの手紙を読んでるときに俺がいたらなにこれ!って言って笑ってくれ。笑
なにこの手紙!って。笑
じゃあ成人式当日、莉子に会えるの楽しみしてる!
片岡翔より。』