わたしのいちばんすきなひと。



「熱はないっぽいね…」


よかったと思った時、翔くんと目が合う。

すごく近い距離に翔くんがいることに気づいた。

時間が止まる。





「………っ!」


おでこに当てたわたしの手を翔くんは掴んでそのままぐいっと引っ張ってきて


わたしを…強く強く抱きしめた…




「翔くん……?」

どうして…どうして…抱きしめるの?

離れなきゃいけないのわかってる。

蒼くんがいるのわかってる。




なのに離さないでって思ってる

翔くんを受け入れてる自分がいた。



抱きしめる力が強くなる。


わたしは翔くんの背中に腕を回した…



最低だ。

本当に最低だ。



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