わたしのいちばんすきなひと。
「莉子あのさ、俺ずっとずっと謝りたかった。あの時、一方的に別れて告げて本当にごめん。」
『別れてほしいんだ…俺と…』
あの日、大好きな人を失う辛さを初めて知った。
好きで好きで好きで…ただそばで笑っているだけでも幸せだと思えた相手が突然いなくなった。
あの辛さは一生忘れないと思った。
「いいの…この前ね、全部明菜から聞いた…
大下くんが明菜に話したみたいでそれで…」
「そっか…」
優しいと思ったよ。
家族のために頑張る、家族を思いやるそんな翔くんを優しい人だと思った。
でも話してほしかった。
支えてあげたかった。
「話してほしかったと思った、わたしも支えてあげたかった。
1人で悩んでほしくなかった。」