わたしのいちばんすきなひと。



そのとき翔くんの電話が鳴り、悪いと言って電話に出た。




「あ、はい、わかりました。
今から行きます。はい、失礼します。」


翔くんはケータイをポケットに直してもう一度わたしを見た。



「ごめん、先輩から呼び出された。
行かなきゃ…送ってやれなくてごめんな。
気をつけて帰れよ……じゃあな…」


翔くんは走って公園を出て行った。


1人で取り残されたわたし。
公園が広く感じた。




もう…これで最後なの…?


もう…会えないの…?



やだよ…そんなのやだ…



わたしはケータイを取り出し、電話をかけた。



『もしもーし?莉子どうしたのー?』

それは大好きな明菜。

いつもの声。


『明菜…わたし…どうしたらいいの…』


蒼くんと一緒にいると決めた。


なのにどうしてこんなにわたしは翔くんからの気持ちを聞いて苦しいの?




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