わたしのいちばんすきなひと。
「すぐわかるよ。なんかあったことぐらい。
もう何年付き合ってると思ってんだ?」
「蒼くん…」
優しい笑顔でこっちを見ないで。
「莉子さ、気づいてないと思ったかもしれないけど、最近ずっと元気なかったよな?」
いつも通りにしてたつもりだった。
でもできてなかったのみたいだね。
蒼くんはなんでもお見通しだ。
「ごめんね…」
「なんで謝るの?」
蒼くんはわたしの手を握った。
強く強く。
「蒼くん…ごめんなさい、わたし…」
「なに…?」
涙が溢れた。
泣き虫なわたしを許して。