わたしのいちばんすきなひと。
「蒼くんと一緒に…暮らせない…
蒼くんともう…一緒に…いられない…」
その言葉に蒼くんは驚かずに
ただ静かに下を向いてそっかと言った。
「何があったか話してくれる?
俺怒ったりしない、責めたりしないから。」
「………好きな人が…いるの…」
「それって…初恋の人?」
蒼くんの言葉に驚いた。
どうして気づいたのだろうか。
うんとわたしは頷いた。
「飲み会の日…もしかして会っちゃった…?」
その言葉にもただ頷いた。
「そっか…なんとなくそんな気してたよ。
でももし会ったとしても莉子は俺のこと選んでくれるんじゃないかなってどこかで信じてた…」
わたしの手を握っていた大きな手は少しだけ震えてるように感じた。