わたしのいちばんすきなひと。





「最初は一番じゃなくても莉子の一番好きなやつになりたいってその人のこと絶対忘れさせてやるって思ってた。
でも…やっぱり勝てなかったな。」


苦しそうに笑う蒼くん。

笑わないで、無理に笑う蒼くん見たくないの…


自分で傷つけたのに。




「莉子、俺といて幸せだった?」


「当たり前だよ!!
蒼くんがいなかったら仕事頑張れてなかった、こんな風に毎日楽しくて…笑わせてくれて…本当に感謝してる…」


本当に感謝してるんだよ。


蒼くんがいなかったらわたしこんなに幸せな気持ちになれなかった。

大切にしてもらって、笑わせてくれて

助けてくれた。


蒼くんがいなかったら今のわたしはいない。



「そっか、よかった。」


蒼くんはもう一度わたしの手を強く握った。


蒼くんの目にうっすら涙が溜まっているのがわかった。


初めて見た蒼くんの涙。



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