わたしのいちばんすきなひと。



「蒼くん、本当に本当にありがとう。
また明日ね、気をつけて帰ってね。」


こうしてこの玄関で見送るのも最後だね。



パタンと玄関の扉が閉まった瞬間、小さな泣き声が聞こえた。


蒼くんだろう。

わたしは1人の素敵な人を傷つけてしまった。



でも、それでも


誰かを傷つけても


バカじゃないの?って否定されても




翔くんと一緒にいたいの…






わたしはケータイをポケットから取り出す。


そしてラインを開いて電話をかけた。


でるかわからないけど大好きな翔くんへ。




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