わたしのいちばんすきなひと。
「教科書の5ページ開いて〜。
ここの第3問についてですがー…」
普通通りに授業も始まり、本格的に6年生がスタートした。
大嫌いな算数の授業。
苦手克服したいけど算数だけはどうもダメ。
ちらっと隣の席を見る。
一生懸命教科書を見て問題を解いていく片岡くん。
授業中、私語もせずにいつも真面目に受けている。
真面目なんだな、片岡くん。
うーーーん。この問題わからない…
どうしよう、次順番的にわたしが当たっちゃう…
さっきから前の席から順番に問題の答えを言っているのだが、自分が当たるところがどうしてもわからない。
「大原、大原ってば。」
小さい声で片岡くんが名前を呼ぶ。