わたしのいちばんすきなひと。
「では、クラスの班ごと出発してください。」
学年長の言葉で1組から出発し始めた。
「遠くない?大原大丈夫?」
出発前、片岡くんがわたしに聞いてきた。
「大丈夫だよ!片岡くんは?」
「俺は男だしなー、あの海まで歩くのとか平気だよ。」
遠くたって片岡くんと一緒に歩けばすぐに着いちゃう。
学校を出ていつもの通学路の反対方向へ歩いて行く。
「きつくなったら言えよ。」
片岡くんはやさしくそう言ってくれた。