アダムとイブ ~聖なる血~



「そう。乗るよ」

冷たく返す。

後ろの席
扉を開けて、どかっと座る。


わたしを怖がっているような背のたかい人たちを避けながら。

ピンクのオープンカーは発信して、
わたしは外を見た。

風の抵抗でなみだが出そうになる。


悪魔で自然のなみだだと理解してほしい。

泣いていないから。


「ミハエラ、ごめんな。俺が悪かったって、だから泣くなよ」

「そうね。けれどわたしは目が乾いて涙が出ているだけなのよ」

「なんだよ……心配させるなよ。」

しばらく間が空き、わたしを抜いて男子たちは話始めた。

もう立派な17歳なのに、話すことはそこらへんの小学生と同じだ。




わたしが本当に気になっているのはそこではない。






マイクのとなりの美しい男の子。

さっきからずっと向こうを向いてこちらを見ない。


明らかに避けられている。



なんなの。









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