アダムとイブ ~聖なる血~



◯◯◯


「そして、ガラスの破片からミハエラを守ったってわけか。よく、うちの子を、守ってくれた。ありがとう。」

「俺にできることをしたまでだよ」

わたしの親友・ダニエルは肩をすくめて、わたしの父親のロバートに現場でおきたことを話していた。


わたしは、というと、現場のあのたくさんの人が死んでいる風景が目から離れなくて、吐き気がしているところだ。


唇をきつくかみ、家の中でパパとダニエルの帰りを待った。


二人の会話をとても聞いてられないから先に帰ってきた。







「…ただいま、ミハエラ。」


「パパ、おかえりなさい
どうだった?」


「手がかりはゼロだ。
あと、ダニエルにはもう遅いからかえってもらったぞ。」

「えっ、今日もとまってほしかったなぁ……」

「ミハエラ、ちょっとはあの子の気持ちも考えてやれよ」





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