私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「でも王都って事はたくさん稼げるだろうし、武器もあるだろうし、何より歴史を学べるだろうね」



そう、人間軍の主流な戦い方は魔法より武器だ。


魔族軍より圧倒的に魔力が少ないので普通に戦ったら勝てない、と言うことで資源や技術力を活かして武器で戦ってたらしい。


お母さん達は魔族達に魔法だけで勝てるくらい強かったらしいけど、やっぱり武器はあった方が良いらしので、まず武器の調達をしろ、とアドバイスを貰った。


武器は商業の中心である王都で調達した方が良い、とも言っていたので、あの森に転移させたのかもしれない。



「でもさ、どうやって中に入るの?」



そう、問題が1つ。


王都は高い塀に囲まれていてお城のてっぺんしか見えない。


空から侵入しようと思っても薄い膜のようなものが張られているので、対策はバッチリのようだ。


唯一の入口といえば門番のような者がいて、何かをチェックしている。



「あんまりやりたくなかったけど仕方ないか……愛凛、あの設定を使って聞き込み行くよ」



「了解です!」



あの設定とはこの年齢になっても世間知らずな理由をお母さん達が考えてくれたのだ。


日本にいた頃ではありえないけど、こっちでは有り得ないことではないらしい。


それを使えってことは……あれしかないよね。


私は門の前に出来ている長ーい行列からお金を持ってそうなおっさんを見つけて話しかけた。



「あ、あの……」



「ん?なんだお前……って随分可愛らしいお嬢さんだ」



私は自分で言うのもあれだけどそこそこ可愛い。


それに自分を1番可愛く見せる方法も理解しているつもりなのでそれを利用して話しかける。



「私、ずっと森で暮らしてて、最近下りてきたので、王都への入り方が分からないんです。迷惑でなければ教えて欲しいのですが……」



「そうなのか!いいぞ!教えてやろう!」



「ありがとうございます!」

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