私魔法使いらしいので異世界救ってきます
このおじさん曰く、門を通過するためには身分証明書となるギルドカードを見せるか、お金を払うかのどちらからしい。


ギルドと言うのは組合のようなもので、冒険者ギルド、商業ギルドというものがあるらしい。


そこに大抵の人は所属していて、その時に貰えるカードをギルドカードと言い、それが身分証明だけではなく、財布のような役割も果たしているらしい。


今は直接現金で払うより、ギルドカードを使って買い物をするのが主流になっていて、店によってはギルドカードしか受け付けないところもある様だ。


ギルドには誰でも入れるというので、まず最初にギルドカードを作りに行こう。


さて、その前に王都にどうやって入るかだ。


入るためのお金はあまり高くはないようだが、一文無しの私達は高かろうが安かろうが入ることが出来ない。


……最終手段を使おう。



「ど、どうしよう……私達っ、魔物に遭遇しちゃってその時にお金落としちゃったっ……」



今にも泣きそうなフリをしておじさんを見つめる。


これが効いたのかおじさんは入るために必要な金額の5倍もくれた。



「え、あ、あの、こんなに受け取れません!!」



「こう言っちゃああれだが、私は結構大きなところの領主でね!金には困ってないんだよ!それにこんな可愛いお嬢さんならいくらでもあげよう!」



さすがに多すぎるので返金しようとしたら、押し付けてくるのでご好意に甘えて受け取った。



「本当にありがとうございます!!このご恩は忘れません!!」



「君は良い子だな!ほら、早く列に並んだほうが良い!これからもっと人が増えて下手したら夜中まで待つことになるぞ!」



「分かりました!!失礼します!!」



お金の入った袋を落とさないように大事に持って待ち合わせ場所に行くと、既に紫苑は待っていた。
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