私魔法使いらしいので異世界救ってきます
作戦決行の日、私達はこっちに来て買った服で1番地味な服を着た。


さすがにド派手な服は目立つからね。


ちなみに侵入経路は1ヶ月の勉強期間内で紫苑が把握済みです。


満腹だし、眠くないし、体調もバッチリ!



「早速行きますか!」



「おー」



紫苑がいつも通り過ぎて逆に不安。


私達はお城まで普通に歩いていった。


初めてこんなに近くで見た感想。



「でっっっか」



「本当金かけすぎな」



「それな」



ありえないほどでかいです。


某ネズミーランドのお城よりでかいです。


紫苑によると使われてない部屋は結構あるらしい。


そりゃあこんだけでかければ使わない部屋が出てくるだろうけどさ、ならもうちょっとコンパクトにすれよ、って話だよね。


アホ。アホすぎて何も言えないわ。



「とりあえず行くぞ」



「何でコンビニ行くぞ、的なノリで乗り込めんの」



「そんな事言われてもなぁ……」



一切緊張感のない会話をしてから、お城をグルーっと囲む塀を飛び越える。


跳ぶんじゃないよ。飛ぶんだよ。羽パタパタさせて飛び越えるんだよ。


飛ぶ時に少し音が出ちゃうけど、それでもバレないのは王都の周りに結界が張ってあるから油断してるんだろうね。


裏口の見張りは2人しかいないのでそこから入る。


王都の1km圏内の魔物を討伐するくらいならお城自体の警備をしっかりしようね。


まぁ人間の中で飛べるのはきっと私達くらいだから油断するのも仕方ないけどね。


そんな事を思いながら裏口付近に降り立ち、警備員さんを手刀で気絶させる。



「初めてやったけど上手くいったね」



「ここで初めてやるってどういうこと」



「まぁまぁ」



思ったよりもすんなりとお城の中に入れた。


と言ってもここは裏口だからお城!!って感じは全くしない。

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