私魔法使いらしいので異世界救ってきます
王族は、何というか……あまり顔面偏差値が高くはなかった。


私の中で、国王はすごいイケメンか、ヨボヨボのおじいちゃん。


だけど実際はただのふんぞり返った太った中年のおっさん。


皇后は美人か、ヨボヨボのおばあちゃんをイメージしていたが、実際はこれまたふんぞり返った背の低い太った中年のおばさん。


息子と娘は、両親にそっくり。


そうだよね。普通に考えて甘やかされて育てられているのにスタイルが良いわけないよね。


……もうとっとと終わらせよう。



「初めまして。私は芦崎 紫苑と申します」



「私は西澤 愛凛と申します」




「名前など聞いとらん!!どうやって入った!?」



「どうやっても何も……裏口の警備は薄いし、転移対策もしてないしで侵入し放題ですよ?」



「て、転移を使えるものがまだおったとは……」



馬鹿かこのおっさん。


魔族とか普通に使えるわ。


人間だって訓練すれば出来るわ。


こりゃこの国も腐るわけだ。



「それより!!何しに来た!!」



「政権を奪いに来たのですが……」



「いつの間に援護を呼んだのですか?」



たった今、ここから500m先に人の反応があった。


誰も動いてないし……あ、見つけた。



「まさか床にスイッチが隠されてるとは」



皇后の座っている椅子の近くの床の一部の色が少しだけ違う。


スイッチかどうかは分からないけど慌てているところを見るとドンピシャなようだ。


戦うことなく終われないとは思ったけど面倒くさいなぁ……



「これでお前らも終わりだ!!」

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