私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「アランー」



「愛凛様!」



戦い専用の部屋に向かうと、そこには四天王と3人の人間がいた。



「君が次の魔王?」



「かーわいー!」



「弱そう」



しっかりしてそうなやつ、タラシっぽいやつ、偉そうなやつ。


個性の強い3人組が私に一体何の用ですかね。


そもそもこの人達は誰?


人のこと言えないけど魔王のいる城に乗り込んでくる人間ってある意味勇者だと思う。


……とりあえず、お引き取り願いたい。



「出口はあちらです」



「せめて話を聞こうよ」



苦笑いしたしっかりしてそうな人。


面倒事にはなるべく関わりたくないんだけどなぁ……今更だけど。



「一応話は聞くだけ聞きますけど」



「ありがとう。僕達はSランクの冒険者なんだ」



「あー」



そういえば風の噂で、Sランクの冒険者が、3人共北の大陸に任務に行った、って聞いたことあるな。


あれ本当だったんだ。



「まぁ率直に言うと、前国王から、魔王を倒して、北の大陸を人間軍のものにしてこい、って依頼受けたんだけどね」



四天王が思いっきり3人組を睨んだ。


怖いって……



「最後まで聞いてくれよー。俺達正直面倒くさくてさー。北の大陸に向かってる途中で事故った、って嘘ついて戻ろうとしたんだけどそんな時国王が変わったじゃん」



「だから依頼をやる必要はないし、どうせここまで来たなら観光しようってことで北の大陸に来たんだけど、そんな時魔王もあんたに変わった」



「新国王と新魔王が面白そうなことをしようとしてるから、どんな人か見に来たんだよ」



こいつら本当にSランク?


面倒くさいだの観光だのって何、なめてるの?

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