私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「とりあえずあんた達のくだらない理由で私は呼び戻されたんだね。とっととお引き取り下さい」



「そういえばさっきまで南の大陸にいるって聞いてたんだけど、もしかしておねーさん転移出来んの?」



人の話をスルーした挙句質問するとはなかなかいい根性してるね、タラシ野郎。


……人間軍で転移を使えるものは紫苑以外いない。


難しいし、結構魔力使うけど、それでも使えない人がいないというのは問題だろう。


よし、とりあえずここは挑発しておこう。



「あっれー?SランクのくせにAランクが出来ることも出来ないんですかー?だっさ」



「うっざ。お前ムカつく」



真っ先に挑発に乗ったのは偉そうなやつ。


偉そうな人ってプライドが高いからすぐ挑発に乗るんだよね。


でも他の2人は冷静だった。


意外なことにチャラ男ですらも。



「おねーさん、Aランクって絶対手抜いたでしょ」



「噂じゃかなりの数の魔族を相手にしたのに傷1つ付かなかったらしいね」



昨日のか……噂になるのは早いね。


でも、そんな凄そうに言ってるけど、案外そうでもないんだよ。



「数が多いと周りの人も傷つける可能性があるから無意識に威力を弱くする。それに敵がたくさんいても、私は1人しかいないから、攻撃できるのはほんの一部。更に私は壁を背にしていたから背後を気にする必要はなかった。これだけの条件が揃えば傷1つ付けずに追い払うのなんて簡単だよ」



戦いは力だけじゃなく、頭脳も必要だ。


どうやら魔族は脳筋がたくさんいるみたいだからそれもどうにかしないとね。

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