私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「魔法の実力があるだけじゃなく、頭もかなり回る……」



しっかりしてそうな人の顔がほんの一瞬、鋭くなった。


すぐに笑顔になったから、見間違いの可能性もあるけどね。



「それで本当は何の用ですか?」



「だから、観光……」



「嘘つき」



なんとなく、だけど確実に嘘だと思った。


なんでそう思ったのか、と聞かれたら分からないけど。


でも、観光だけで普通ここまで来る?



「おねーさん、やるねぇ」



「そうだ。俺らは観光で来たんじゃない」



「出来れば不意打ちで殺りたかったんだけどね。バレたらしょうがないか」



「バイバイ、おねーさん」



「愛凛様!!」



チャラ男がニヤリと冷たく笑った次の瞬間、胸の前には剣があった。



「は……?」



剣は私に刺さることなく、言葉の通り胸の前にある。止まっているのだ。



「なんで……」



「疲れるからあんまりやりたくないんですけど、これ魔力なんです。魔力で透明の壁を作ってます。相手に気付かれにくいしオススメですよ?まぁあなた達に出来るとは思いませんけど」



今度の挑発には3人全員が乗ったようだ。


単純すぎて逆に心配になる。

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