私魔法使いらしいので異世界救ってきます
お母さんは何故かドヤ顔をして話し始めた。



「魔法を使えるか使えないかくらい私達にかかればすぐに分かるわ。あなた達には力がある。それも私達以上にね」



「きっと魔法使いとは別の血が混ざったことによって純粋な魔法使いより強いんだと俺達は考えてる」



なんでハーフの方が強いんだろうね。


だってずっとアメリカに滞在していたアメリカ人と日本人のハーフが、日本人よりも語彙力があって正しい日本語をペラペラ話してるって事でしょ?


ちょっと違うけど、私達はそんなような状況なのだ。


努力次第でお母さん達を抜かせる……



「なんかテンション上がってきたから行こう、異世界」



「え」



唐突なアホみたいな理由で宣言した私を見て、呆れたような顔をする男の子。


だってお母さん何気にハイスペックなんだもん!!


美人だし、勉強も運動も家事も出来るし、絵も歌も上手。


何1つ勝てるものがなくて悔しかったけど、今は違う。


初めてお母さんに勝てるかもしれないんだ。


これはやるしかないでしょ!



「やる気出してくれて嬉しいわ!」



「絶対に死ぬなよ?」



「勿論!お母さんお父さんの子供だもん。かなりしぶといし、何が何でも生きてあっちの世界を平和にして帰ってくるよ!」



久しぶりにお父さんとお母さんに抱きしめられ、覚悟を強める。


逃げて来たと言っても故郷なんだから救いたいに決まってる。


力があるって言われて、見捨てるほど私も鬼じゃない。


それにこうやって抱きしめてくれるなら俄然やる気がてる。


ずっと抱き合ってる私達を見て男の子も決断したのか、溜息を吐いた。



「はぁ……女の子が行くって言ってんのに男が逃げるわけにはいかないよな。俺も行くよ」



「さすが父さんの息子だ!」



「愛凛ちゃんをしっかり守るのよ?」



男の子も美和さんと雄二さんに頭を撫でられてしかめっ面だけど手を払わないから、悪い人じゃないんだろうな。


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