私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「な、何」



じっと見つめられて顔にどんどん熱が集まっていく。


そんな私を見て、ずっと真顔だった紫苑が笑った。



「ふはっ、なんでそんな真っ赤なんだよ」



「……うっさい」



「あ、それはそうと、お前余計なことしてくれたな」



余計なこと……あ。



「元の世界じゃ出来ない新しいドッキリだよ」



「マジでやると思ってなかったし心臓止まるかと思ったわ」



ってことはドッキリ大成功だね。やったね。


……それは良いんだけど、さっきから紫苑が近い。


顔が10cmくらいしか離れていないところにある。



「離れてよ……」



「何で?」



「何でって……」



「だって愛凛は俺のこと好きなんだろ?」



その通りだけど、自信たっぷりに言われるとなんかムカつく……



「嫌いって言ったらどうする?」



「好きにさせるからいいよ」



思わぬ返答にさらに顔が赤くなる。


このタラシめ……


咄嗟に顔を逸らすと、急に腕を引っ張られ、近くにあったソファに座らされた。


座らされた、っていうより押されたに近いので、少し痛い……



「何すんのさ」



「愛凛」



「何……」



隣に座り、体が密着するほど近づいてきた。

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