私魔法使いらしいので異世界救ってきます
ただ、私達が一緒にいられないのは他にも理由がある。


結婚してから1年後、子供ができました。


しかも男女の双子。


初めての出産が双子なんて不安だったし、育児との両立なんて全く出来る気がしなかったけど、周りの人達の支えでなんとかやってこれた。


子供達は、小さい頃から魔法を使い続けてきたこともあり、いつ抜かされるか分からないのでドキドキ。


それに、小さい頃も可愛かったけど、大きくなってきてからはその顔の良さが、よりハッキリしてきたので同年代の子達からはおモテになるようです。


あまり子供達とは遊べてないし、たくさん寂しい思いをさせてきたけど、小さいながらに事情を察しているのか、あまり我儘は言わなかった。


それが本当に申し訳なくて、魔王を辞めてしまおうかと何度も思った。


だけど、そんな時いつも紫苑が支えてくれた。



「いつもありがとう、紫苑」



「お礼は奏汰(かなた)と奏羽(かなう)に言えよ」



「そうだね。ありがとう、奏汰、奏羽」



「ママ、いつもがんばってる!」



「奏羽強い子だから我慢する!」



「あぁもう本当に可愛い……」



「親バカかよ」



こんなことを言っているけど、私がいない間に、デレデレしすぎてうざがられたことがある。


それでもめげない紫苑のメンタルの強さを尊敬した。



「本当幸せだなぁ……」



「なんだよ、急に。歳をとったからってババァみたいな事言ってんじゃねーぞ」



「私が歳とったってことは紫苑だって取ってるんだからね。それにババァじゃなくても幸せを噛み締めることはあります」



確かにこの世界に来た時より、かなり歳をとった。


あの頃はまだ17歳だったのに今はもう27歳。


もうアラサーですよ。

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