イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「なにか裏があるとは思ってたけど、これは予想外過ぎたよ。ウザい頼み事でもしてくるのかと構えてたけど、これはないよね。てか碧羽には手を出さないで」
「おお、俺も凛と同じ考えだ。碧羽には手を出すな」
漸も凛と一緒になって、碧羽のまえへと立ちはだかる。壁陣よろしく眼前で仁王立つ、双子の合間からしかし碧羽は顔を出し、そして――
「軍資金を稼げるなら、わたしやってみようかな」
などと、天に舞い上がらせるほどアンディーを喜ばせた。
「やってくれるのね♪ はい決まり。じゃあ早速契約書にサインを――」
「「待ちやがれ!」」
彼女の壁となり仁王立つも、泣けるほど役には立っていない双子が待ったをかける。
ヒロインのピンチに駆けつける、BL戦隊双子レンジャーが見参したのはいいが、それを安藤は華麗にスルーしてしまう。
「ココとココとココ……自分の名前を書くのよ。そうそう、それで後はココに血判――なんて冗談よ~♪ お家に帰って、ご両親から承諾のサインと登録用の捺印をして貰ってね」
安藤は寒いオネエジョークで、双子の怒りを更にヒートアップさせるのであった。
この後も双子と安藤とのあいだで、長丁場な悶着がくり広げられることになった。
けれども碧羽はどこ吹く風か、始終hacchi嬢とガールズトークで盛り上がっていたそうな。