イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
凜がまともに、話を言い切れる日はやって来ない。
またもや漸に科白を妨害された凜は、がっくりと項垂れた。……ご愁傷様。
碧羽は思案する。漸の言う誤解とはなんだろう? 非常に気にはなるが、どうにも碧羽は素直になれない。
「なんだか知らないけど、わたしには関係のないことだから。それにまだ、本の片付けが残ってるんだ」
言うが早いか碧羽は立ち上がり、クローゼットのなかへと戻ろうとする。
「ちょッ! 急に立ち上がっちゃダメだよ、まだ横になってなきゃ。片付けなら僕たちが代わりにするから、碧羽は部屋で休んでな」
「えッ? で、でも……」
「凜の言う通りだ。さっきまでおまえ、マヌケな格好で倒れてたんだぞ。おまえは部屋に戻って、ベッドで休んでろ。このカルマなクローゼットは、俺たちが片付けといてやる」
「けど……うん、わかった。じゃあ、お願いしようかな」
今ひとつ、漸の科白が引っかかって素直に喜べない。だが漸にギロリと強い眼光で一瞥されてしまい、気圧されるまま碧羽は頷いていた」
「まかせて!「」おう!」
息もぴったりな双子は、碧羽に頼られ破顔一笑し、ユニゾンで意気込んだ。