イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。

「仲良く? でも、わたしから離れていったのは凜と漸だよ? 寂しかったんだから。ようやくひとりに慣れたのに……」

「それは碧羽のためだったんだ。僕らと一緒にいると、碧羽が虐められちゃうから。でも、もう大丈夫。これからは、僕たちが守ってあげるから」

「俺も碧羽を守る。ずっとそばにいる。嫌がっても離れないからな。付きまとってやる」

 さらりとストーキング発言いただきました。

 しかし手前勝手にも程がある。ずっと一緒にいたいと懇願したときには突き放し、ひとりに慣れたと言えばそばにいると言う。

 できれば「ボーイズラブが友達だ!」と、声を高らかにあげて撥ねつけてやりたい。けれども彼らには、借りが出来てしまった。返さぬ訳にもいくまい。

 思案の刹那、碧羽はひとつの条件を思いつく。

「わかった。また友達に戻ってあげる。でもひとつ条件があるの。それを聞いてくれたら仲良くしてもいいわ」

「いいよ、なんでも聞いてあげる。碧羽のお願いなら、聞かない訳にはいかないからね」

「なんでも言え。俺が叶えてやる」

 碧羽は心のなかで、『よっしゃ!』とガッツポーズをする。彼女のDNAに刻まれた腐細胞が、諸手をあげて狂喜乱舞するのであった。
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