イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「あ、漸居たんだっけ? あまりにも碧羽が可愛いくて、すっかり忘れてたよ」
「忘れるなッ! つか、俺を蚊帳の外扱いすんじゃねえよ!」
だが事実は残酷にも、漸をふたりの輪から弾き出そうとするのであっ――
「ンなナレーション要らねんだよッ!」
た。
「言い切ってんじゃねえよッ!!」
ひさしぶりに流れる穏やかな時間。碧羽の部屋に男が遊びに来るのは、優に五年ぶりである。
けれども物心がつくまえから、初等部の砌においてを離れることなく過ごしてきた彼らにとって、時のひらきを埋めることなど一瞬であった。
部屋の一角に設えたソファへと、腰を下ろした碧羽たちは、時間が経つのも忘れ、過ぎた日々を紡ぐように沢山のはなしをした。
幼馴染だけが共有できる、安らかなるひと時。ここに来て、やっと碧羽は心の蟠り(わだかまり)を解き放つことができた。
凜が笑う。漸が碧羽の頭を撫でてやる。
きっと彼らの絆を断つことなど、だれにもできないのだろう。その証拠に、碧羽は最高に幸せそうな笑顔をふたりに向けている。
そして碧羽は言うのだ、
「さあ、そろそろはじめましょうか♪」