イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「ああ、やっぱり? そうなるよね」
「ゲッ! いつの間に!? つか、ソレどこから出してきたんだよッ!!」
最高の微笑みを湛え、碧羽は何処からともなく、今朝買ったばかりのBLコミック本を取り出したのである。
碧羽は華麗なる技で、ネコ型ロボットの十八番を披露したのであった。……ふたりを見つめる、彼女の笑顔が眩しくて仕方がない。
「えへへ、それはナイショ♪ 企業秘密です。それよりも、はやくシてみせて?……やくそく覚えてるよね?」
「あはッ……も、もちろんだよ。……ねえ? 漸」
「チッ、仕方ねえな。死ぬほど不本意だが、一度やるっつったんだ。二言はねえよ」
「わーい、やったッ♪ じゃあふたりとも、早くベッドに横になって?」
「「…………」」
鼻息も荒く、碧羽がふたりを己のベッドへと先導する。ベッドのまえまで来ると、碧羽は漸の背中を押して、彼をベッドに伏臥させてしまった。
「うおッ!? ちょ、おい碧羽ッ! あぶねえじゃね……!?」
漸が碧羽に苦情をぶつけながら、彼女のほうへとふり返る。だが彼女の面(おもて)を目にした途端、漸の顔から血の気が消え失せた。