離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「…ほんと夢がない」


……と言いつつ、ティッシュで涙を拭い鼻をかむわたし。


「現実主義なもので」

「その割にはキザったらしいこと言うじゃない」

「は?」

「人生を賭けて幸せにしてくれるんでしょ?」

「…まぁ、結婚は人生の墓場だしな」

「ちょっと!やめてよ今から結婚するのにっ!てか新郎はもっと遅くても良かったんじゃないの?!」

「え?このどすっぴんから花嫁に変身していく様を見たくて」


嫌みったらしく爽やかな笑顔を向ける龍成にムカッとくる。


──やっぱりかっこよく見えたのは一瞬だけだったわ。


「…黙れヘタレ」

「はあ?」

「欲まみれのくせに」

「……くそがき」
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