離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「新婦様、ヘアメイクのチェンジに来ましたがよろしいですか?」


ノックの音がし、ドアの外からメイクさんの声が。すぐに龍成が立ち上がる。


「じゃ、俺行くわ。担当スタッフと最終確認もあるし」

「あ、うん。…龍成、今日は本当に超イケメンだよ」


ああ、結局言っちゃった。

仕方ないよね、今日だけは。


「──俺の花嫁は最高だな」


驚きながらも嬉しそうな顔。そんな顔されたら、抱きしめたくなっちゃうよ。


「ぷ。バカップルだね」

「上等」


そう言って軽くキスをして、龍成は部屋から出ていった。


入れ違いで入ってきたメイクさんに、

「暑いですか?」

と言われるくらい、わたしの頬は赤く染まっていた。
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